「ピーリング」は、皮膚科ではケミカルピーリングという施術としても行われています。日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン2023は、グリコール酸やサリチル酸マクロゴールによるケミカルピーリングを、「標準治療が無効あるいは実施できない場合の選択肢の一つ」としており、保険適用外であることへの配慮が必要としています。この記事では、ガイドラインの記述から、皮膚科でのピーリングの位置づけを整理します。市販のピーリング化粧品は、このガイドラインの対象ではありません。
確認元:日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」(CQ16・CQ24・CQ33、冒頭の説明)、同「皮膚科Q&A ニキビ」Q8。確認日:2026年10月29日。個別の施術の判断は医師に相談してください。
ガイドラインでの位置づけ
| 対象 | 薬剤 | 推奨 |
|---|---|---|
| 炎症性皮疹(赤いにきびなど)・面皰(毛穴のつまり) | グリコール酸 | C1:標準治療が無効、または実施できない場合に、選択肢の一つとして推奨。保険適用外である点に配慮が必要 |
| 同上 | サリチル酸マクロゴール | C1:同上 |
| 同上 | サリチル酸エタノール | C2:現時点では推奨しない |
| ニキビ跡(萎縮性瘢痕) | トリクロロ酢酸、高濃度グリコール酸 | C2:行ってもよいが、推奨はしない |
ガイドラインの冒頭には、化粧品に含まれる成分や保険適用外の施術については、化粧品では効能効果がにきびの予防に限られていることや、健康保険の適用がないことを考慮し、医薬品と同等あるいは優れていることがランダム化比較試験で明確に示されていなければ、強く推奨することは困難と考えて、ランダム化比較試験があっても「選択肢の一つとして推奨する」(C1)にとどめた、という方針が書かれています。ケミカルピーリングは、標準治療(外用薬など)が使えないときの選択肢として位置づけられています。
皮膚科での治療(Q8より)
日本皮膚科学会のQ&A(Q8)には、皮膚科でのニキビ治療として、アダパレン、過酸化ベンゾイル、その配合薬、抗生物質の飲み薬や塗り薬が強く推奨されていると書かれています。自費の治療としては、ケミカルピーリングなどがあります。ピーリングは、これらの治療の代わりではなく、必要に応じて行う施術です。皮膚科での治療の種類は「ニキビで皮膚科を受診する目安と、化粧品・薬の違い」にまとめています。
市販のピーリング化粧品を使うときの考え方
ガイドラインは、皮膚科で医師が行う施術について書かれたもので、市販のピーリング化粧品の効果や安全性を示すものではありません。ここでは、化粧品全般に共通する確認点をまとめます。
- 区分と表示:化粧品の効能効果は決まっていて、ニキビについては予防の範囲に限られるとガイドラインに書かれています。「ニキビを治す」とは言えません。
- 使い方を守る:回数や放置時間は、製品の説明書に従います。
- 試してから使う:顔全体に使う前に、目立たない部分で試します(「化粧品のパッチテストのやり方」)。
- 異常があれば中止する:赤み・ひりひり・かゆみが出たら使用をやめ、症状が続くときは皮膚科へ(「化粧品が肌に合わない時の目安」)。
- 日焼け対策を重ねる:日焼け止めの表示の見方は「日焼け止めのSPF・PA表示の見方」にあります。
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