光脱毛とレーザー脱毛の違いは、使う光の性質です。レーザーは特定の色素(毛のメラニン)に吸収される性質を利用し、光脱毛(IPL・フラッシュ)は多数の波長の可視光を照射します。また厚生労働省の通知では、機器が医療用かどうかを問わず、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する照射は「医行為」で、医療機関でしかできません。
確認元:国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」(2017年5月11日)、パナソニック 光美容器 家庭用「光エステ ES-WP81」取扱説明書。確認日:2026年10月10日。
光脱毛とレーザー脱毛の仕組み
国民生活センターの報告書では、医療機関で行う脱毛の方式を次のように説明しています(いずれも毛乳頭などを破壊する方法として書かれています)。エステの光脱毛は、下の「美容ライト脱毛」として別に定義されています。
| 方式 | 仕組み |
|---|---|
| レーザー脱毛 | 特定の色素に反応するレーザーの性質を利用。皮下の黒い毛のメラニン色素にレーザーが吸収されて熱を持ち、毛包全体に熱が伝わる |
| 光脱毛 | IPL、フラッシュなど、多数の波長の可視光線を照射する |
| 電気脱毛 | 毛穴に針を通して電流を流す |
報告書に寄せられた医師の助言では、光脱毛は単一の波長ではないため、効果を出すには出力を強くする必要があり、黒い毛以外の色に反応する波長も含まれるため、レーザー脱毛よりもリスクが高い可能性があると述べています。
エステと医療機関でできることの線引き
厚生労働省の通知(平成13年11月8日 医政医発第105号)では、「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」は医行為に当たります。報告書はこれを踏まえ、次のように整理しています。
| 施設 | できる範囲 |
|---|---|
| 医療機関 | レーザー等で毛の発生源を破壊する脱毛(医行為)。やけど等の皮膚トラブルが起きるおそれもあるが、トラブルの際はすぐ医師の診察を受けられる |
| エステ | 医行為に当たらない範囲の施術だけ。光の照射等による一時的な除毛・減毛など。医療機関に比べ脱毛効果は低く、皮膚への影響は小さいと考えられる |
報告書に引用された一般社団法人日本エステティック振興協議会の自主基準では、エステの「美容ライト脱毛」を、除毛・減毛を目的に、皮膚に負担を与えず毛の幹細胞を破壊しない範囲で行う光脱毛と定義しています。
家庭用の機器はどう位置づけられているか
家庭用の機器の扱いは、上の報告書では整理されていません。製品の表示を見ると、たとえばパナソニックの光エステは「光美容器 家庭用」と表示され、取扱説明書の目的はムダ毛を目立たなくするケアです。家庭用の機器を選ぶときは、方式(光かレーザーか)、表示上の区分、使える部位、頻度、使えない肌を説明書で確認します。家庭用光美容器の使い方は「家庭用光美容器(光脱毛器)の使い方と頻度」にまとめています。
脱毛によるトラブルの件数
報告書によると、2012年度以降の約5年間(2017年2月末までの登録分)に、脱毛施術で危害を受けたという相談が964件寄せられました。
| 施設 | 件数 | 施術の内訳 |
|---|---|---|
| エステ | 680件 | 光脱毛229件、レーザー脱毛72件、電気脱毛31件 など |
| 医療機関 | 284件 | レーザー脱毛が大部分(206件、96.3%) |
危害の内容は、エステ・医療機関ともに「皮膚障害」と「熱傷」が多くなっています。報告書は、脱毛を受ける前にエステと医療機関の違いを理解し、広告をうのみにせず、施術前にリスクの説明を十分に求めること、危害を受けたらすぐ医療機関を受診し、消費生活センター等に相談することを助言しています。
家庭用のIPL機器を比べるとき
家庭用のIPL機器でも、肌に合わない時や痛み・赤みが続く時は使用を中止し、皮膚科医に相談するという考え方は同じです。除毛クリームとの違いは「除毛クリームの使い方と注意点」で扱っています。
VIOにも使えるとされるIPL方式の家庭用機器の仕様と、照射前後の準備は「VIO対応脱毛器の口コミ・評価|5段階IPLを比較」と「Donamo脱毛器(IPL・VIO対応の表示)の仕様と注意点」で紹介しています。
