化粧品の全成分表示は、配合量の多い順に並び、1%以下の成分と着色剤は順不同でよいことになっています。そのため、並び順から読み取れるのは「おおよその多さ」までで、効果の大きさは分かりません。この記事では、厚生労働省の通知をもとに、全成分表示の基本的な読み方をまとめます。
確認元:厚生労働省 医薬監麻発第220号・医薬審発第163号「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(2001年3月6日)、日本化粧品工業連合会「成分表示」のページ、東京都健康安全研究センター「化粧品の表示」。確認日:2026年10月20日。
全成分表示の決まり
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 並び順 | 製品における分量の多い順に記載する。ただし、1%以下の成分と着色剤は、互いに順不同でよい |
| 香料 | 着香剤として使うときは、成分名を「香料」と記載してよい |
| キャリーオーバー成分 | 配合成分に付随する成分(不純物を含む)で、効果を発揮するより少ない量のものは、表示の必要はない |
| 成分の名称 | 日本化粧品工業連合会の「化粧品の成分表示名称リスト」などを使い、消費者の混乱を防ぐ |
日本化粧品工業連合会のページによると、2001年4月の化粧品の規制緩和にともない、全成分表示が義務になりました。
読み方の基本
- 最初のほうを見る:先頭に近い成分ほど、量が多い目安です。
- 1%のラインは分からない:1%以下の成分も表示の対象で、順番が自由になるだけです。どこまでが1%を超える成分かは表示されません。後半の成分は順番が前後していても不自然ではありません。
- 「香料」の中身は分からない:香料と書かれていると、何種類の香料が入っているかは分かりません。香りで肌に合わない経験がある人は、無香料の表示も参考にします。
- 避けたい成分を確認する:過去に肌に合わなかった成分や、アレルギーのある成分が入っていないかを見ます。これが全成分表示の最も実用的な使い方です。
成分名の数が多いことや、有名な成分名が並んでいることは、効果が高いことを意味しません。化粧品の効能効果の範囲は決まっていて、「シワを予防する」のような表現は化粧品ではできません。表示の読み方は「医薬部外品の「シワ改善」「美白」表示の見方」でも扱っています。
「○○フリー」「無添加」の見方
「パラベンフリー」「アルコールフリー」「無香料」などの表示は、その成分を配合していないという意味です。アレルギーや肌の刺激が起きないという意味ではありません。全成分表示と合わせて確認し、初めて使うときは目立たない部分で試してください。方法は「化粧品のパッチテストのやり方」にまとめています。
医薬部外品の成分表示は違います
東京都健康安全研究センターによると、医薬部外品は概ね化粧品と同じ事項が表示されますが、成分の表示方法が化粧品と異なります。全成分表示の制度ではなく、表示指定成分を含む場合に成分名の表示が義務づけられています。近年は、製造販売元の判断で全成分を表示した製品もあります。表示のしかたが化粧品と異なるため、化粧品と同じ読み方をすると誤解が生じることがあります。違いは「医薬部外品と化粧品の違い」にまとめています。
実際の表示で試してみる
公式ページに全成分が公開されている製品の例として、「エミューの雫 オールインワンゲルの成分と使い方」と「ラップリフト リンクルの成分と使い方」で、全成分の表示を整理しています。後者は医薬部外品で、有効成分が別に表示されています。
